お金が生まれた理由

毎日,当たり前の様に使っているお金・・・。

当たり前すぎて,お金とは何か?本質的にはどんなものなのか?なんて考えもしない。
ただ,漠然とお金がもっとあったらなぁとか,お金持ちだったら,こんな生活とはオサラバだとかをみんな考えてる。

今回は,お金が生まれた理由を考えてみます。

もともと,今のようなお金なんかはありませんでした。
昔は,生きていく為に,動物を狩ったり,野菜を育てたりして自給自足していました。
当然,食べたいものや欲しいものを全て自前で調達することは難しく,ある人は,猪の肉と野菜を交換し,ある人は,魚と衣服を交換したりして,自分たちが欲しいものを交換を通じて得ていました。

物々交換をすることで,ある程度は自分たちの欲求を満たすことができました。

しかし,様々な問題がおきます。

・自分が欲しいものを持っている人を探すのが大変なこと。
・交換に応じてもらえない可能性があること。
・それぞれ価値がバラバラで,お互いにフェアな交換が難しいこと。
・肉や野菜など,長持ちせず交換する前に腐ったりしてしまうこと。

そこで,頭の良い人が思い付きます。

・みんなが持っているものを持ち寄ることができる場所をつくること。
→市場ができます。
・みんなが欲しくて,長い期間持っていても腐ったりしないものをつくること。
→きれいな貝殻,稀少な金属(金、銀など)

みんなが欲しいもの(金、銀など)を媒介させることにより,今までの交換が一気に活性化します。価値が安定したことにより,フェアな交換ができるようになったこと,持っているものが腐ったりしないので,長い期間保存しておけること,肉や野菜と違って持ち運びが楽になったこと,物の流通が凄いスムーズになりました。

そして,何でも交換することができる物をたくさん持っている人が力を付けていきます。その物をたくさん持っている人が,持っていない人に貸したり(銀行のようなものの誕生)、動物を狩ったり,野菜を育てたりする労働の対価を,その物で貰う(雇用のようなものの誕生)、今まで村に納めていた肉や野菜も,その物に代わる(税金のようなものの誕生)。

いつしか,何でも交換することができる物の魅力が増していき,みんなそれをたくさん欲しいと思うようになります,ただ交換する媒介の為に生まれたものなのに…。

最初は,何でも交換することができるものは,きれいな貝殻や,稀少な金属(金、銀など)など,それ自体に価値のあるものでしたが,あるとき,それ自体に価値がないものに代わります。そう,貨幣や紙幣の誕生です。

国が保有している金の量に比例して,貨幣や紙幣を発行することができ,いわば国が何でも交換することができる価値を保証した訳です(金本位制)。

そして,とうとう国が保有している金の量に関係なく,貨幣や紙幣を発行することができるようになります。いわば,金を担保にするわけではなく,国の信用度だけで,何でも交換することができるものを保証したのです。

こうやって簡単にまとめると(色んなことを省いているので悪しからず),お金の本質が見えてきます。そう,お金とは実態なんてなく,お互いの信用のみで動いているシステムなのです。

皆さんも,もう一度お金の誕生から今に至るまでの経緯をじっくり考えてみてください。今まで見てなかったものが見えてきます。

それでは。

お金を追い回せ!