売上を上げろ?

お金とは信用である。

 

先日,ある経営者さんと話をして,こんな会話がありました。

経営者 今期の売上は,前期と比べて大幅に良さそうです。

私   そうですかー、良かったですね。

    ってことは粗利もかなり上がったんですか?

経営者 ん、粗利?粗利はあんまり変わってないですよ。

    少し良かったくらいかなー。

私   え?粗利はあんまり変わってないんですか?

    ってことは,売上は増加したけど,粗利率は下がってるっていう

    ことであんまり良くないですよ!

経営者 えっ?みんな頑張ってくれたと思ってたのに…。

 

はい、良くある話です。

以前までは売上至上主義で,とにかく売上を上げろ!上げろ!ってな感じで社員を詰めてた訳ですが,社員としても訳がわからなくなり,大幅な値下げ等を行い,採算度外視で仕事を取りまくる。社員も疲れはて,仕事の質も下がり,クレームも増えて,利益率も下がる。仕事の質も下がるので,優良顧客も離れて,価格が安いだけ重視の顧客だけ残り,もう最悪なのです。正直,経営者失格で今すぐ会社を去ってくださいレベルです。

売上とは,お客さんからもらったお金であって,その中には,売った商品の原価やサービスの原価(仕入代や外注費)が含まれています。要は,純粋にもらったお金全てが残るわけではないのです。売上から原価を引いた粗利がその会社の強み(信用)な訳で,目指すのは売上ではなく,間違いなく粗利と粗利率なのです。粗利と粗利率が良くなっていくと,当然残るお金が増えていき,社員さん逹の待遇も良くなっていくので良い仕事をするようになります。そうすると劣悪な顧客を断り,優良な顧客だけを残せるようになり,自分の会社も顧客も共にWINWINになるのです。結局は,安売りではなく、顧客からの信用を上げることで,粗利と粗利率も上がっていくのですね。

目指す数値を間違えないようにしましょう、大変なことになります。

それでは。

お金を追い回せ!